2016
02.25

北の街から世界を覗く

 朝起きると一面の雪景色です。
 冬が戻ってきてしまいました。 冷凍庫の中のように寒い朝です。

                     雪景色


そんな寒い雪国の小さな街の、暑い夏のお話です。

19年前の8月31日日曜日、日本海沿いのわがT町(当時はまだ市ではなかった)は国際交流のイベントで大いに盛り上がっておりました。
その日は朝から暑い暑い一日でした。

当時英語を話す人が少なくて、少しでも話せそうとなると、こういう行事にお声がかかりました。
バイリンガルの方がいない、小さな町に住む特権です。

さて、そのイベントには、イラン人の奥様と、マレーシアのエリート留学生たち、ドミニカ人の企業研修生が参加されており、
私は、イラン人の奥様付きでした。

日よけのテントの中でお目にかかったその方は、丈の長いベージュのトレンチコートを着て、ノドもとのところまでボタンをかけており、スカーフを頭からかぶり、あごのところで結んでいました。

その毅然とした横顔は凛としていて、涼しげで美しく、自分のノースリーブのワンピースが決してチャラチャラしたものではないのに、薄過ぎる気がしたものでした.

そして、お話をしていくうちに、なんだか自分が相手に失礼なことをしている気がしてきました。
こんなことは初めてです。あせればあせるほど、だんだん寡黙になる自分がおりました。

しばらくして、気がついたのです。そうか、彼女が、笑わないからだ。
イスラム教徒である彼女は、かすかに微笑むことはあっても、大げさに笑ったり、話すことはないのです。



結局、彼女の笑顔はその日一度も見られませんでした。


後日、その方が大変楽しんで、感謝しておられたと、人を介して伺いました。
もう少し、気後れせずにお話すればよかったと、とても悔やみました。

文化の違いと言う言葉を、本当の意味で実感した一こまでした。


一時間に電車一本のローカル線の町に住む平凡な主婦が、
異文化を少しだけ体験したその日は、 ダイアナ妃事故のニュースが世界を駆け巡った日でもありました。




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